津波防災教育について学びました

 「嚶鳴フォーラム in 東海 〜釜石からのメッセージ〜」の事業の一つとして防災講演会が、横須賀小学校で開催されました。講師は、群馬大学大学院教授(広域首都圏防災研究センター長)であられる片田敏孝先生でした。「これからの防災教育を考える」という演題で、津波襲撃時に学校の管理下にあった児童・生徒全員の命を守ることができた津波防災教育を事例にあげられながら、ご講演がいただけました。
 片田先生は、2004年インド洋大津波の被害に会われた遺族の方々への悲しみを痛切に感じられ、防災教育のあり方を根本から見直されました。防災文化再生プロジェクトにより、子どもたちの防災教育を充実させ、世代間で災いをやり過ごす知恵が継承され、地域にその知恵が防災文化として定着することを目指して活動されてきました。
 想定外を生き抜く力を育む姿勢の防災教育として、避難三原則「想定にとらわれるな」「最善をつくせ」「率先避難者たれ」が示されました。そして、釜石市で伝わる「津波てんでんこ」の意味についてもお話がありました。表面的には「てんでばらばらに、家族のことさえ気にせず一人で避難せよ」ということですが、家族がそれぞれ避難していることを信じ合えば、いざというとき、各人が避難することに専念できる・・・つまり、本質は「自らの命に責任をもつこと、家族との信頼関係を築くこと」と説明されました。
 その他にも、津波防災教育を地域に普及させる活動、津波防災教育を釜石市内全校に広める活動など、多くの取り組みについてもお話いただけました。津波防災教育について、多くの事例をご紹介いただけ、学ぶことがたくさんあるすばらしい講演会でした。